薬剤師が仕事する場は、病院などの医療機関、調剤薬局、ドラッグストアなど様々ですが、公的医療保険の適用を受ける調剤を行えるのは保険薬剤師だけとなっています。
病院で仕事する薬剤師と、保険薬局で仕事する保険薬剤師とは、どちらも調剤を行ったり薬の説明、指導などを行うのが主な仕事内容なのは同じですが、病院薬剤師の場合、主に医師の指示の下で仕事することになります。
これに対し、保険薬剤師は、医師の処方箋を元に、保険調剤を行いますが、保険点数の計算や保険請求等の保健医療上の公的な手続きを行うのも大事な業務となります。
日本は健康保険制度等の公的保険制度にほとんどの人が加入していて、医療機関にかかるときに利用しています。
こうした保険制度を取り扱う医療機関等は、保険医療機関としての指定を受ける必要があります。
また、保健医療に関わる機関で仕事する薬剤師も、保険薬剤師としての登録が必要となるのです。
保険薬剤師の場合、薬の説明以外、金額等の説明にも答えらえるような知識が求められます。
健康保険や介護保険についての知識を持ち、患者さんの質問にきちんと応え、調剤料の点数算定方法や解釈の仕方、請求までひと通りの手続きが一人でできる、というのが保険薬剤師の大きな特徴といえます。
保険調剤を行う仕事でも、病院内の薬剤部等で仕事する場合は、保険薬剤師としての登録は必要ありません。
調剤薬局で仕事する場合、ほとんどの日本人は健康保険などの保健制度を利用しているため、調剤薬局もたいていは保険調剤薬局です。
このため、保険の取扱のある調剤薬局で仕事するには、薬剤師は保険薬剤師でなければいけません。
ドラックストア等で勤務するには必要ありませんが、調剤薬局が併設された店で調剤するには必要となります。
保健薬剤師になるには、勤務先の管轄の地方厚生局で登録手続きを行い、登録後は研修に参加する必要もあります。
調剤薬局で仕事する場合、必ず保険薬剤師の登録をしなければいけませんが、調剤薬局以外の職場から、調剤薬局に転職することになったのなら、登録を忘れると後々問題が生じる可能性もあるので少し注意が要ります。