専門薬剤師は2008年から実施された制度で、いわば薬剤師のエキスパートです。
現在、日本病院薬剤師会が認定する、がん専門薬剤師、感染制御専門薬剤師、精神科専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師の5種類が良く知られ、他にも、日本禁煙学会が認定する専門薬剤師や、日本静脈経腸栄養学会が認定する栄養サポート(NST)専門薬剤師があります。
医師には、がん専門医など、難病に対し専門の治療を行うエキスパートがいますが、同様に、特定の疾患に対し専門的な立場となる薬剤師が、専門薬剤師と言うわけです。
特定の疾病の知識、必要な薬剤について誰にも負けない専門性を持った薬剤師のエキスパートとなります。
今のところ、様々な団体が独自の専門薬剤師を擁立している状態で、統一した専門薬剤師はまだ設立されていません。
専門薬剤師の一例として、日本病院薬剤師会認定の、がん専門薬剤師の場合、がんの治療を専門とした薬剤師です。
がんの治療は外科的手術による方法と薬物治療がありますが、専門薬剤師は、抗がん剤の投与が仕事ですが、抗がん剤は副作用も激しく諸刃の刃でもあります。
そこで、専門薬剤師は、患者のことをいろいろと考えながら調剤を行うことになります。
ここでの薬剤師は、医師の処方せんによって調剤を行うだけでなく、がんと免疫学、がんの臨床などで様々な研究を行い、処方の提案や設計など、患者の側に立った薬剤治療を行っていくことになります。
専門薬剤師になるには、認定薬剤師として経験を積み、各専門分野で医薬の研鑽を行ったうえで、専門の講習の受講、認定試験の合格、論文の提出など、各専門分野ごとに結構高いハードルがあります。
まだ誕生したばかりの新しい資格だけに今のところ求人も少ないのですが、今後的に医療業界での専門薬剤師に対する注目度は高まると見られ、薬剤治療に積極的に取り組む総合病院なら、活躍の場も得られることでしょう。
実務経験を積み、専門薬剤師としての地位が認められば、高収入も期待できます。
要は、自分の情熱次第で、高い地位と収入も期待できる、というわけです